香川県地域おこし協力隊コーディネーターの秋吉です。
「私たちの本気宣言」は香川県内の地域おこし協力隊及び地域おこし協力隊に関わる人たちの本気をお伝えする企画です。
今回は淵崎さんが活躍する高松市塩江町で精力的に地域活動を行う藤沢保(ふじさわたもつ)さんにお話をうかがいました。
秋吉
保さん、本日はよろしくお願い致します。
以前、淵崎さんから「保さんは塩江の父」と伺いました。
普段はどのように淵崎さんと関わられているんでしょうか。
保
そうだなぁ、
片腕みたいなもんかな。笑
なんかあったらすぐ電話しよんや。
まぁ、彼のことはもっと色んな方にも知ってもらいたいから出来るだけいろんな人に紹介しとるよ。
若い人が塩江に入ってきて頑張っていただけるっていうのは、これほど嬉しいことは無いと思うんですよ。
って言いながら、実は私も23か24で塩江を出とんですけどね。
今68やけん、50年近くは塩江から離れてたんですよ。
定年を迎えてからふるさとに恩返しがしたいと思うようになって、塩江の観光関連の仕事をするようになりました。
そこから始まって、色んな人とのお付き合いが始まって、今では塩江で色々とさせてもらってます。
私も50年ぶりの塩江で、ほとんど何も知らなかったですね。
秋吉
お2人を見ていると、すごく信頼関係が築けている様子が分かります。
色々と精力的に活動されている保さんが、淵崎さんと一緒に活動したいと思えたのはどうしてでしょうか。
保
一番大きいのは、彼が先を見とるからやね。今でなくて。
やっぱり、先を見ながら動いとるんが分かるんよ。
塩江に入ってきて、「何とかせんといかん」という気持ちが現れているんじゃないかと思いますね。
それはすごく伝わってくる。
そういう人が出来るだけ育ってほしいわけや。
だけん、僕が思っていることは一緒におって吸収してもらいたい。
あんまり細かく教えるというよりは、私を見て吸収して欲しい。
私は塩江町出身やし、塩江を元気なまちにしたいし魅力あるまちにしたいと思ってる。
まぁ、今まで6、7年やってきてはいるけど、まぁ簡単では無いわね。
彼も感じているだろうけど。
地元の人と上手くやっていこうと思うとすごく難しい。
やけど、地元の人と一緒にやっていかんことには前に行けん。
同じ組織の人間だとしても意見が違うこともある。
そういう人たちとも上手くやっていかんといけんよね。
これが大変。
ただ、これが大変なんやけど、彼は大変な中で悩みながらも前向いていっているじゃないですか。
そういう姿を見てたらやっぱり頑張ってほしいなと思うよね。
秋吉
以前、熊野センター長に伺った際も「一緒に育っていきたい」とおっしゃってました。
どんな存在に育ってほしいとお考えですか。
保
まぁ、リーダー的存在になってほしいわな。
今はまだ「はいはい」とみんなの所に入っていきよる段階やと思うけど、将来的にはちゃんとした基盤を持ったリーダー、動かせる人になって欲しいわな。
確固たるものがあったら人はついてくる。
今はまだ弱いわな。笑
あれしたり、これしたり色々としとるから。
今はまだそれでええんちゃうんかな。まだ2年目に入ったばかりやから。
2年ぐらいはもがかなアカンわな。
もがき苦しむしかないわ。笑
一時かなり悩んどったけどな。
そういう悩みはすごく大事なんや。
悩んだらいい。悩む時期もなかったらいかんのよ。
ええ事ばっかりは絶対ないけんな。
秋吉
淵崎さん自身も1年間で変化・成長してきたとおっしゃってました。
地域の人はそうした変化をどう感じているんでしょうか。
保
地域の人も変わってきたと思ってると思うよ。
この前のスプリングフェスタなんかは大きいわな。
ああいうのをすることによって、「ちょっとこの人は違うかな」と思ってきたんちゃうかな。
まだまだやけど、少しずつ地域の人の意識も変わってきとるんちゃうかな。
気持ちが前向きになってきとる。
秋吉
協力隊の行動を見て、地域の方の意識にも少しずつ変化があったんですね。
少しお話が変わりますが、保さんが50年ぶりに塩江に戻ってきた際はどんなご苦労がありましたか。
保
そやなぁ、、、そんな苦労してません。笑
僕はもう、できるだけ人と仲良くせなアカンと思っとるから、下手、下手でいくからな。
しんどくてもしんどくても、下からいかないと上手くやってはいけん。
おかげさまで6、7年でホンマに知り合いは増えましたね。
0からスタートやったけどね。
最初はホンマ誰も知らんかった。
近所の人しか知らんって状態やったな。同級生もほとんどおらんしね。
だけん、こっちからみんなの所に入っていって「よろしくお願いします」って回ってったわな。
秋吉
ご自身で地域おこし協力隊みたいな動き方をされてたんですね。すごいです。
そのモチベーションはどこから来るのでしょうか。
保
根底にあるのは、やっぱりここがふるさとってことやね。
塩江が好きなんよ。
あとは藤沢っていう名字は塩江にゆかりのある名字でね。
藤沢の性を持ってるってことはやる気につながっとるな。
淵崎ではダメやね。笑
秋吉
淵崎はダメなんですね。。。笑
話をそんな淵崎さんに戻しますね。
保さんは淵崎さんの任期終了後についてどのように考えてますか?
保
そやな、
まだ私自身にも浮かばんのですよ。
今度は生活していかないけんからな、自分で。
それがはっきり言ってまだ分からない。
ただ、できることならもうちょっと動き回って、塩江の事を知って、なんか生活できるもんを見つけてほしいな。
まぁでも、なんとかなるやろ!笑
悩んでてもしゃーないからな。
とにかく前に進みながら考えるしかないんよ。
秋吉
なるほど。
前に進み続けることで見えてくるものもきっとあるということですね
最後に淵崎さんに一言お願いします。
保
ここまで来たら、最後までやり遂げて欲しい
途中で投げたらいかん。
逃げたら一生逃げることになる。
やっぱり塩江で頑張ろうと思って入ってきとんやけん、3年間は絶対に前を向いて進んでいってほしい。
途中で逃げたら絶対いい事ないんよ。
やっぱり、逃げんとやったら、苦しかったその後がすごく自分が「やった!」っていう気持ちになれる。
うまくいかなくても後悔しない。逃げたらずっと後悔する。
あとは、、、やってれば何か出てくるわ!笑
秋吉
すごい!
ポジティブパワー!
私まで元気もらいました。
本日はありがとうございました。
自分自身の地域でのご経験を基に淵崎さんに色々なアドバイスをされる保さん。
「悩んで立ち止まっているなら一緒に前に進もう。」
と背中を押してくれる地域の方の存在は協力隊にとっても非常に大きな存在です。
淵崎さんのご活躍の影には、それを支える保さんのポジティブパワーがあるのだと思います。
☆藤沢 保(ふじさわ たもつ)
安原文化の郷歴史保存会副会長