【私たちの本気宣言】主役は町民(塩江町・淵崎隊員)

香川県地域おこし協力隊コーディネーターの吉田です。

「私たちの本気宣言」は香川県内の地域おこし協力隊及び地域おこし協力隊に関わる人たちの本気をお伝えする企画です。

今回は高松市塩江町で活躍する淵崎さんにお話を伺いました。

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吉田

最近はどのような活動をされていますか?

淵崎

最近始めたソバアートは、小学生に農業を生涯に一回でも経験してもらいたいという思いから始めました。

授業もやらせてもらったのですが、そのとき小学生に、将来農業で食べていきたい人ー?って聞いたら誰も手挙げなくて。。

だったら、今自分で食べているご飯がどういう風に出来て、農家の方がどういう苦労をして、皆に給食として出されているんだよ、というのをわかってもらいたいな、という想いから、今回はソバを題材にして、種まきから収穫、脱穀、そば打ちまでやってもらおうと思っています。

それが小学生に伝わるかはわからないけど、僕の思いの説明はしました。

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吉田

なぜソバを選んだのですか?

淵崎

もともと保さんが赤い花のソバを5年間育てていて、休耕田を使っているというので、僕も手伝いたいというのが始まりです。

保さんとは去年の8月に知り合って、何かできることないですか?と言ったら、それがたまたまソバだった。

ソバの花は普通白いから、赤い花のソバは珍しいってことで保さんが取り入れて、町おこししてるっていうので、僕もやりますって。その延長線上で、塩江特産の炭谷ごぼうもやってます。

だから最初から農業をやりたかったわけではなく、たまたま農業だったってだけで。

町民プレゼン大会っていうのを去年9月にやったときに、保さんや、5月のイベントもやりたいって人が発表してくれて。

それに乗っかる形で僕もやりますって感じでした。

僕の中で「主役は町民」と思っているので、僕が主役になっちゃったらそれは違うと思っています。

主役である町民の人がやりたいことを、僕がサポートするっていうのが協力隊なのかなって思っているので、出来る限りのサポートをしたいんです。

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吉田

こちらからこれやりましょう!といって何かをするのではなく、地域の方の意志を尊重して活動しているのですね。

淵崎

そうですね。

小学生とソバ栽培を始めたのも、今の6年生が去年、農業関連で塩江の特産品について調べたときに、保さんのウェブページで赤い花のソバのことを知ったので、授業でやってみましょうっていう流れになったんです。

なので、こちらから何かアクションを起こすというよりも、小学校から委託される形で僕は仕事ができている感じです。

吉田

地域の主役は町民だとお話ししていましたが、なぜそのように考えるようになったのですか?

淵崎

もともと町民が主役、町民を巻き込む、そういうつもりで来てるので、自分が主役っていう形ではないかな。

協力隊って名前が悪いってわけではなく、僕が主役になったら、僕がいなくなったときに何もなくなってしまうので。

町民の人が自発的に何かやりたいなっていうのでないと、続かないことかなって。

その延長線で仕事を起こせればベストですけどね。

それができなくてもいいかな、と思っています。 

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吉田

淵崎さんにとって、どんな塩江が理想ですか?

淵崎

最近よく考えているのですが、こうなってほしいってのは個々にあるから、それに対する一つの答えはないのかなって思っています。

イベントをしてほしいって人もいれば、竹やぶをなんとかしてほしい、空き家をなんとかしてほしい、子どもたちの遊び場を作ってほしい、とか。

塩江がこうなってほしいとか、自分たちがこうなりたいとかは個々に違うので、それに対して僕達が何かできればいいかなって思いますね。

吉田

1年間活動してきた中で、行政とのやり取りで気をつけるようになったことや、今気をつけていることなどありますか?

淵崎

そうですね。悪い言い方かもしれないけど、行政を頼りにしない。

行政よりも、地域の人を頼る。

できる理由を一緒に探して助けてくれる人がたくさんいるから。

吉田

淵崎さんは塩江のどんなところが好きですか?

淵崎

やっぱり人が面白いからかな。

すんごいポジティブな人ばっかりで(笑)

今まで都会で過ごしてきた感じの友達とは全然違う。

田舎の風習もまだ残っているし、保守的なところはあるけど、入ってしまえばすごい絆が強くて。

僕の将来を心配してくれる人も結構いるし。

▼淵崎さんを常に気にかけてくれている熊野センター長(左)、小笠原会長(右)
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※熊野さんと小笠原さんの温かいインタビュー記事はこちら

吉田

それは淵崎さんがポジティブだから、そういう人が集まってくるのだと思いますね。

淵崎

いや、僕はスーパーネガティブで(笑)

5月のイベントのときも最初は仲間もいなくてお金もなくて、出来ない理由を並べて協力隊をやめようかと思ってたんだよね。

去年9月のプレゼン大会をした時はまだ知り合いがいなくて。

最初はイベントをやりたいっていう人がいるから手伝いましょうってなったんだけど、結局淵崎さん全部やってね、ってなって。

お金もないし、手伝う人もいないし、どうしよう!!ってずーっと3月まで半年くらい悩んでて。

でも協賛金として寄付してくれるって方が現れて、熊野センター長や保さん、商工会や地域の方も寄付してくれたり、塩江温泉旅館飲食協同組合は温泉券出してくれたり、色々応援してくれる人が出てきたのをきっかけに一気に開催できるようになった。

一人じゃテントも立てられないし、どうやっていこうかなって言ったときに、小笠原会長のNPO法人・CB(コミュニティビジネス)しおのえに依頼して、テント立てに来てください!とか、イベントまでになんとか仲間を作ることが出来て、ようやく5月15日に「スプリングフェスタ」を開催することが出来たと思っています。

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吉田

仲間がいてこそですね。

淵崎

5月のイベントを乗り越えたのは大きかったですね。

それまでに保さんにも協力隊やめたいって話をしたら、真剣に怒ってくれたり。

熊野センター長が塩江の母だとしたら、保さんは父ですね。

良い人に恵まれてると思います。

▼ソバ栽培の師匠・藤沢  保さんimg_8756

※藤沢 保さんの元気が出るポジティブな記事はこちら

吉田

今後の予定はどんな感じですか?

淵崎

今ちょうど、この1年間の活動報告書を作成してて、まさにそこを悩んでるところで。

報告書の締めとして、まとめと今後についてを書きたいんだけど、今後の課題と言うか、あと1年半で何をしようか考え中です。

やることは決まっているんだけど、それが将来1年半後に協力隊を卒業して、仕事になるかって考えたときに、それはならないだろうなって。

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吉田

決まっていることというのはソバ栽培ですか?

淵崎

ソバもやるし、5月に開催したイベントを来年もやるし、他にも色々出てくるとは思うけど、サポート役だと思っているから。

町おこしするって、テレビとかで成功例って結構出るけど、失敗例って出ないからね。

でも、自分が満足した3年間が過ごせれば、それで良いのかなって。

吉田

それでも日々頑張る原動力はどこから来ているのですか?

淵崎

今後について一番強調したかったのは、もっともっと塩江のことを知ってもらいたい、ってのはあるかな。

県外だけでなく町内でももっと知ってもらって、町民が誇りを取り戻して、塩江はこんなに素晴らしいところですよって

自慢できるようになってほしい。

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吉田

活動している中で、こういうことは今後活かせるんじゃないかな、

というイメージはありますか?

淵崎

前の職場が人と付き合わない業種だったのですが、今回は真逆で、人と付き合うことが仕事みたいなものだから、そういう人脈とかコミュニケーション力は活かせるかなって思っています。

もし困ったら誰かに相談できるし。

吉田

淵崎さんは常に全力で活動している印象がありますね。

淵崎

そうですね(笑)

とにかく全力でぶつかっていく。

戦略立てることも専門家が来れば塩江っていくらでもできると思う。

移住関連でなにかやりたいってなったら、その辺の空き家を借りて改築すればいいと思うし、農業やりたい人だったら休耕田もたくさんあるし、カフェやりたい人だったら廃校になった学校もたくさんある。

そういうのがマッチする町ではあると思う。

僕は何かをやりたいって移住してきたわけじゃないし、もっとこの町に住んでみたいとは思っているけど、強かな戦略とかは今は何にもないな(笑)

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吉田

今後もずっと塩江に住んでいきたいですか?

淵崎

住みたいとは思うけど、仕事がなければしょうがないので。。

でも、それは塩江町民が決めることだと思っていて。

吉田

それはつまり・・・?

淵崎

熊野センター長の中で、塩江町が淵崎さんを育てるって思ってくれているので、塩江町が淵崎さんを必要と思ってたら、何か職が出て来そうな気がしています。

吉田

活動していくうちに自然に仕事が出てきそうですね。

淵崎

そうだといいですね。

でも、なかったらなかったで職を探せばいいかなって。

深く考えたら辛いから今は深く考えない。

吉田

そのポジティブさは塩江町民らしいですね!

本日はお忙しいところありがとうございました。

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自身を「巻き込まれ体質」と語る淵崎さんは、地域の方とのコミュニケーションをうまく取りながら精力的に活動する中で、周囲のポジティブな塩江町民に良い影響を受け、淵崎さん自身も地域も共に成長している印象を強く受けました。

今後もポジティブでバイタリティ溢れる淵崎さんの様々な活動に注目です!

☆淵崎 義之(地域おこし協力隊@高松市塩江町)

高校までを高松市香川町で過ごし、福岡県の大学・大学院に進学。東京・横浜の電機メーカーに9年間勤務し、ハードディスクの研究開発に携わる。趣味は温泉、ソフトテニス。日々、塩江町民のためにできることを探し、できることはすべてやるという精力的な活動を行う。

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