さぬきの輪の集い

【香川県】第27回「さぬきの輪の集い in 徳島県神山町」を実施しました!

〜「さぬきの輪の集い」とは香川県内の地域おこし協力隊の集まりです。〜

地域おこし協力隊同士の情報共有や連携体制構築のために定期的に開催しています。


今回の集いは、年に一度実施している県外遠征視察。

ITでの地方創生の成功事例として全国的にも有名な、そして、新たに始まった「Food Hub Project」事業でグッドデザイン賞を受賞した、山に囲まれた自然豊かな徳島県神山町に行ってきました。

有名なのはこの写真ですね↓

最初に、なぜ、どのようにして、神山町が今のようなまちづくりを行ってきたのか、

「神山町のまちづくりや創造的過疎について」のレクチャーをNPOグリーンバレーの竹内事務局長より伺いました。

NPOグリーンバレーは、神山町に本拠を置く非営利活動法人で、「日本の田舎をステキに変える」を合言葉に、アーティスト・イン・レジデンスや神山塾、サテライト・オフィス誘致など、移住支援を軸とした事業を主に手がけています。

NPOグリーンバレー創設者の大南さんが作られた「創造的過疎(Creative Depopulation)」という言葉には、過疎化の現状を受け入れ、数ではなく過疎の中身を改善するという意味が含まれています。

外部からクリエイティブ人材を誘致して多様な働き方を実現し、農林業に頼らない持続可能な地域を目指す、ということで、今はIT業界がメインに取り上げれて有名になっていると思いますが、最初はアメリカから送られた人形を里帰りさせるという、ちょっとした国際交流から始まったとのこと。

その時の成功体験やワクワクを共有した仲間が、じつは後のグリーンバレーの設立メンバーになります。目的だけでなく、経験や驚き、喜びを共有する仲間とともに、その後のプロジェクトを進めることができたのが、神山町の発展の大きな理由になったんじゃないかと今になって思います。(中略)その時にできた国を超えたつながり、つまり国際交流を絶やしたくないとうことで、有志で「神山町国際交流協会」を設立しました。ちょうどALT(Assistant Language Teacher 学校での外国語指導助手)が始まった頃だったので、地域で受け入れを始めたり。
【徳島県神山町】「枠組みのない町」を創る- グリーンバレー大南信也 –|灯台もと暮らし
http://motokurashi.com/feature-tokushima-oominami/20150806より引用

それがアーティスト招致に繋がり、海外のアーティスト界隈で神山町が知れ渡ることとなりました。

外国人の交流人口を増やすにとどまらず、アーティスト繋がりの国内のクリエイティブな人材(自らが仕事を作り出せる人材)の移住が続き、思いもよらない連鎖を生み、また、神山塾(人材育成事業)の活動で次世代の移住者獲得にも繋がっています。

どの業界でも新しい活動を始めようとすると、「アイデアキラー」に出会うことがあります。

神山におけるそれは活動を否定しているのではなく、過去の経験からそれは失敗すると思うよ、という優しさで「アドバイス」をくれる方たちだったそうです。

それでも、何事もやってみないとわからないので、「まずは、やってみる」を行政を巻き込んで、取り組んだ結果が現在を作っています。

誰も想像できない新しい取り組みを、行政や地域に理解して応援してもらえる環境を作ることが一番重要。
面白いと思った取り組みは、反対されてもあきらめずに活動し続けることで理解を得られることも多いかもしれませんね。

一度前例ができてしまえば新しい歯車が回り出す可能性も。

「できない理由より、できる方法を!」
「とにかく始めろ(Just Do It)!」

という言葉がとても印象的でした。

国際交流(仲間の発見)
→アート(地デジ移行のタイミングで徳島県内全域へのICTインフラ(Wi-fi)の整備、アーティスト・イン・レジデンスの実施)
→ライフスタイル(ワークインレジデンス・起業家誘致)
→知識・情報・技術(サテライトオフィス・コワーキングスペースの整備)
→現在は町の事業の一部として「神山町地方創生戦略」でまちを将来世代につなぐプロジェクトの真っ最中。

神山町には一緒に同じ方向を向いている仲間がたくさんいるのがとても強いと感じました。

次に、サテライトオフィス等(※)、現地視察させていただきました。
案内してくれたのは横浜出身のNPOグリーンバレー砂田さん。

※サテライトオフィスとは:通勤による混雑が激しい都心部を避けて、自社の本拠で行う業務と同等の仕事をできるように情報・通信設備を整え、かつ勤務者の自宅により近い、または混雑が少ない経路で通勤できる場所に立地したオフィスのこと(Wikipediaより)

現在、「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス(KVSOC)」には、15社が常駐していますが、徳島県庁のサテライトオフィス(とくしま新未来創造オフィス)も含まれているのにはとても驚きました!!

同行した香川県庁地域おこし協力隊の担当職員から、徳島県庁の職員さんに挨拶させていただきました(笑)

このように徳島県庁から離れた神山オフィスでも、いつでもお互いの状況を把握できるので安心感があるのと、今は忙しそうだから後にしようなど気遣うこともできるのでとても仕事がしやすい、会議も頻繁に行っています、とのことでした。ハイテク!というか柔軟!!

サテライトオフィスでは、民間企業の皆さんと、ざっくばらんな意見交換が出来、色んな意見が飛び交う、新しいアイデアを生み出せる場所となっているそう。

(香川県庁でも県内にサテライトオフィスがあったらもっと地域や民間企業の声も拾えて地域活性の速度が上がりそう・・・!!)

また偶然、tomos(ともす)という会社が、ちょうどこれからお弁当配達事業を考えている隊員とピッタリな事業をされていたので、色々と気になる質問ができ参考になりました。

このような偶然の出会いから、人と人との縁を通して事業が大きくなっていくんだろうな、ということを感じた瞬間でした。

次に、東京に本社を構える株式会社プラットイーズのサテライトオフィス、通称「えんがわオフィス」を見学。

テレビ番組等の映像コンテンツに関するシステムの開発と業務運用の手伝いをする独立系ベンチャー企業であり、防災の観点から、本社が災害を受けたとしても業務を継続できるようにと2013年、神山町にサテライトオフィスを構えました。

古民家を改修してできたオフィスはガラス張りでおしゃれながら、「えんがわオフィス」らしく立派な縁側もあるので地元の方との交流もできるように考慮されています。

内部はモニターがたくさんあり、完全にテレビ局ですね。

母屋にはサーバーが貯蔵されているそう。
外見と内部のギャップが。。。

このように、神山町には都市部から抜け出して機能を果たせる企業や個人事業が、神山町の環境を上手く取り入れた新しい地方での働き方や暮らし方を実践しています。

県外から移住してきて働いている人や、都会から通って利用する人、または特定の期間を設けて働く人など、サテライトオフィスの使い方も様々ですが、働いているうちにこの神山町の環境が気に入って移住する人も多くいるそう。

現在、働き方改革などでよく聞く、労働時間に縛られず、結果が残せたらOKといった若い世代もしくは、日々の「暮らし」に重きを置いた考え方が、都会で働いている人たちに支持されているようでした。

最後に、神山町の農業を次の世代につなぐ「Food Hub Project」についてお話を伺いました。

お話していただいたのは、神山町の職員でもあり、株式会社フードハブ・プロジェクトでは農業長(ボランティア)を務める白桃(しらもも)さん。

株式会社フードハブ・プロジェクトは、神山町役場、神山つなぐ公社株式会社モノサス(コンサル業)が共同で立ち上げた神山町の農業を次世代につなぐための会社です。

神山の農業を次世代につなぐこと、そのための農業の担い手を育てることが目的。

プロジェクトの中心メンバーは二人で、行政職員(白桃さん)と民間企業(モノサス)の若い世代が担っています。

大切なのは、二人の立場が違えど神山町に住む、いち住民であること。

町の未来を思う気持ちや危機感が共有できていることが強みなので、お互いの立場を臨機応変に活用しながら、円滑にプロジェクトを遂行しているように見えました。

小さな町の中で、「農業」「地域」「経済」「循環」「食育」をキーワードとし、ぐるぐると循環し続ける仕組み作りは、神山町独特のクリエイティブな人材が集まっているからこそ出来る取り組みだと感じました。

地域に移住してきたものづくりが出来る若い世代も上手に取り込みながら、新しい取り組みをしているので、将来的にも広がりを感じられますね。

また、フードハブ・プロジェクトでは、地元の農作物をふんだんに使った「かま屋」(食堂)と「かまパン&ストア」(パン・食品)を運営しています。

自社の農業チームが、お米は特別栽培で、野菜は栽培期間中化学肥料・農薬不使用にて栽培したものと、神山の「里山の会」の皆さんから仕入れているものをできるかぎり使用していきます。(フードハブ・プロジェクトHPより引用)

神山町に根ざした食材はもちろん、食器や家具も徳島県内や地元から調達しています。

ランチはかま屋さんにて。

懐かしい窯で炊いたご飯はとても美味しかったです。

食材や器でお世話になっている地域の方々の名前がずらっと並んでいて温かい安心感がありますね。

今ではアーティスト・イン・レジデンス(各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業)全国で実施されていますが、神山町ではそれを20年前から実施しています。

外国人に対しても分け隔てなく共に暮らしてきた神山町ならではの、新しい事業「シェフ・イン・レジデンス」も面白い取り組みですね。

農業と食文化の地域内循環システム 「フードハブ・プロジェクト」は、2018年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」と特別賞「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を受賞されました。(おめでとうございます!)

今回、参加した協力隊にとっても非常に関心が高かったプロジェクトで、食に関する活動をしている協力隊には大変参考になることが多かったたとの声も多く聞こえました。

今後、益々発展していきそうな神山町での視察を通して、様々な観点からとても勉強になりました。

神山町の皆様、参加いただいた皆様、ご協力ありがとうございました!


第27回 さぬきの輪の集いin徳島県神山町

【日時】
2018年11月28日(水)9:00〜18:00

【場所】
神山町農村環境改善センター
えんがわオフィス
KVSOC(神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス)

【参加者】
地域おこし協力隊14名
自治体職員3名

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