香川県地域おこし協力隊コーディネーターの秋吉です。
9月3、4日に長野県小布施町で行われた第8回地域活性学会に参加させていただきました。
今年4月に設立された「地域おこし研究部会」の一員として研究発表をするためです。
もちろん吉田隊員も一緒です!
平成21年度に89名からスタートした地域おこし協力隊。
平成28年度現在は2,600名以上の方が全国で活躍しています。
政府はその数を2018年には3,000人、2020年には4,000人にするという目標を掲げ、より一層の地域活性が期待される所です。
隊員数が増える一方で、任期途中で辞めてしまう方や、地域のニーズと隊員のニーズが実は違っていたという「ミスマッチ」事例が散見されるようになってきました。
“そうした「ミスマッチ」をいかに減らしていくか。”
“どうしたら地域おこし協力隊と地域が上手く連携して地域を元気にできるか。”
こうしたことを研究・実践するために中四国の協力隊が連携し、組織したのが地域おこし研究部会です。
↓発起人の藤井さん(元岡山県美作市地域おこし協力隊・岡山県地域おこし協力隊ネットワーク協議会事務局長)
現役協力隊・協力隊OB・元行政職員・学識経験者を含んだ地域おこし研究部会メンバー。
アンケート調査やヒアリング調査、これまでの経験等を踏まえて「どんな仕組みが必要か?」を議論してきました。
そうした調査・研究を経て、研究部会として「こうした仕組みが必要ではないか?」という提言を作成することになりました。
今回の学会発表は、そうした提言の必要性やどんな仕組みが必要かということを説明させていただく機会となりました。
会場にはたくさんの人が!
現役地域おこし協力隊、地域おこし協力隊OB、大学生、大学教師、国家公務員などなどおよそ50人ほど。
会場の熱気がすごかったです。
今回は地域おこし研究部会を代表して、藤井さんと私で発表させていただきました。
発表に使用したスライドの一部を共有させていただきます。
タイトルは「中四国地域おこし協力隊 アンケート調査に基づく制度運用の研究」
今回の発表の主旨は提言制作に向けた意見交換です。
みなさまからアドバイスをいただきながら、精度の高い提言を作りたいと考えています。
まずは、地域おこし協力隊とは?
平成21年からスタートし、今では全国各地で協力隊が活躍しています。
華々しく取り上げられることの多い地域おこし協力隊。
その一方で課題も指摘されるようになってきました。
実際にあった事例も紹介します。
責任の所在が不明確であったり、行政と地域との想いにズレが生じていたり。
とても残念なケースも見受けられました。
「どうしてそうした課題が起こるのか?」
我々なりの仮説を立てました。
中でも一番大きな問題は「3年間及び3年後の計画がない」だと感じています。
こうした課題の原因というのは今に始まったことではなく、制度が開始された直後から言われ続けていることでした。
しかし、なかなか改善されることがない。
ここに運用体制の限界を感じるようになったのです。
中四国の現役協力隊132名に対し、アンケート調査を行いました。
「所属する行政に運用計画がありますか?」等に対して
自身の人生プランについて
提言1
採択に関与できるサポート機関を設けることで、事前の目的調整や受入れ体制づくりを強化できるのでは?
現在の体制では、受入体制を整えるのに制度的な限界があるのでは?
提言2
サポート機関の役割の1つとして、出口を見据えた運用をする体制を整えるべきでは?
地域の課題を知るためにはまずは地域を見つめ直すことが必要です。
そのためにはこれまでその地域の運営を担っていた行政・地域がしっかりと汗をかいて自分たちの課題とはなんなのか?を自分たちに問い直す必要があるのではないでしょうか。
と、以上が提言書制作に向けた発表の一部です。
発表の後は会場にいたみなさまと共に意見交換を行いました。
小布施町の地域おこし協力隊・日影さんのご尽力で長野県内のたくさんの協力隊が駆けつけてくれました。
協力隊の課題や期待する事など、ざっくばらんに意見交換ができました。
こうした現場の声をしっかりと提言書に反映させて、制度のブラッシュアップに役立てたいと思います。
最後は地域おこし研究部会のみなさまと長野県内の協力隊のみなさまとでお疲れさま会。
楽しく真剣に色んな話ができました。
地域おこし協力隊の可能性をもの凄く感じる2日間でしたし、また全国に仲間ができてとても充実しました。
こうした知識・ネットワークを香川県のために還元できるよう、これからも研究・実践を頑張ります!