第33回「さぬきの輪の集いin高松市」を大島で開催いたしました。
今回大島で集いを行うきっかけとなったのは、高松市の地域振興課の職員さんから頂いた一冊、「OSHIMA MAP」。
高松市と瀬戸内国際芸術祭サポーターのこえび隊が、大島を訪れた方々へ向けて、島や療養所の歴史、豊かな自然を知ってもらうことを目的として「大島マップ」を、来島者とのワークショップを通じて作成した冊子です。
この「OSHIMA MAP」を手に取り、せっかく縁あって香川県で活動している協力隊が知らないままでいるのではなく「一緒に学び・感じ」今後の大島の振興について考える機会にしたいと思いました。
(大島の歴史)
もともとは、二つの島からなり砂洲でつながって現在の形となっています。二千年近く前の土器が発掘されることから、古くから人が住んでいたことがわかります。源平合戦の戦場にもなった島で、屋島の大合戦に敗れた平家方の墓に植えられた松が800年余りの歳月を経て、「墓標の松」として残っています。江戸期には高松藩最大の島として山守りが置かれ、明治時代には10戸ほどが半農半漁の生活を営んでいました。明治42年4月、ハンセン病療養施設である「第4区療養所」(現在の大島青松園)が発足しました。
(交流の促進による環境の変化)
瀬戸内国際芸術祭がはじまり、大島では、やさしい美術プロジェクトによる「つながりの家」の作品が展開され、入所者との対話を通じ、大島の生活・記憶・文化を表現テーマとした展示を行うとともに、来島者が親しめるよう、島の歴史や作品の説明が、ガイドツアー形式で行われました。瀬戸内国際芸術祭が継続して開催されたことにより、芸術祭関係者と入所者との交流も更に深まりを見せており、同時に島外の人々との交流も盛んになってきています。
集い当日の空は、カラッと晴れわたり、
照りつける日差しが眩しく、
すぐに体力を奪われるほどの猛暑日でした。
高松港からフェリーに乗り、約30分。あっという間に、大島に到着。
ここからは、通い慣れた高松市の職員さんに案内していただきました。
この日のスケジュールは、こえび隊の大島案内に参加して大島の歴史を学ぶ「大島のガイドツアー」を体験、休憩を挟んで後半は、活動が3年目に突入した高松市の小瀧隊員の活動報告会を予定しています。
こえび隊によるツアーガイドは、交流の拠点となる「社会交流会館」からスタートしました。
この建物は、歴史資料やジオラマがある展示室、瀬戸内国際芸術祭の作品「カフェ・シヨル」もあり施設全体が入所者と来島者の憩いの場となっています。
ハンセン病のことを中心に大島にある要所を巡りながらその場所の説明や、瀬戸内国際芸術祭の作品の概要もお話してくださいました。
<こえび隊によるガイドツアー>
・社会交流会館〜納骨堂〜3つの石碑〜宗教地区〜大島神社〜入居者が住んでいた寮〜解剖台
約1時間ほどの「ガイドツアー」を終え、高松市地域おこし協力隊の小瀧隊員から、活動報告会が行われました。
活動報告の始めは、小瀧さんの経歴・プロフィールを改めて紹介。服飾系の学校を卒業され、編集プロダクション・出版社でのお勤めを経て、高松市の地域おこし協力隊として着任。今までの経歴を生かした情報発信を中心とした活動が報告されました。
取材するだけではなく、持ち前の編集能力を生かした活動内容として、
◆高松市 地域おこし協力隊のウェブサイト開設(活動のアーカイブとPR)
◆県内協力隊の連携事業「KAGAWA de Achikochi」で県内の魅力を発信する活動
◆高松市で活動する協力隊の活動レポートの発行
などがあり、他には高松市公式観光サイト(Experience Takamatsu)の編集員として取材をし、市外県外向けだけではなく、市民に向けても地元の良さに目を向けてもらえるような情報を発信。
また、U40「高松市創造都市推進懇談会」のメンバーとして民間企業と市職員で構成される40歳未満の世代の意見を広く聞き、20〜30年後を見据えたまちづくりをクリエイティブな視点で考える会にも参加。活動は多岐にわたります。
今後の取り組みとして、不足している夜コンテンツの拡充をExperirnce Takamatsuと連携して高松夜マップ作りや、行政職員さんや協力隊向けに編集講座を開催などを発表。
すると、協力隊からぜひ編集講座を開いて欲しいとその場で要望がありました。協力隊は地域の良いところを発見、創出し、成長させていくことに繋がるお仕事。編集は、魅力を基礎として地域の物語を伝える作業です。小瀧さんの経験(スキル)を、県内の協力隊と共有し合えたら、香川県の各地の魅力をもっと効果的に訴求できるようになる!と思いました。
帰りの船の時間まで少し自由時間をとり、各自残りの時間を過ごしました。
限られた時間の中で、こえび隊のガイドツアーで大島の歴史や暮らしのお話を聞き、歴史展示室で貴重な資料を見る事も出来ました。この日が初めて大島を訪れる隊員も多く、それぞれ重く辛い過去をしっかりと感じながら、大島の振興について考える1日になりました。
ご協力くださった。高松市地域振興課の永峰さん、こえび隊、高松市地域おこし協力隊の小瀧さんありがとうございました。