さぬきの輪の集い,  三豊市,  耕作放棄地の活用,  香川県

【香川県】第41回さぬきの輪の集いin三豊市を開催しました!

令和3年3月25日に開催のさぬきの輪の集いでは、三豊市の澤井隊員の活動報告会を行いました。
澤井隊員が一緒に活動しているNPO法人まちづくり推進隊山本の皆様とともに、竹林を整備したときに取れる竹を使った竹ドームを作るワークショップや、耕作放棄地と放置竹林である竹林の今後についての意見交換会なども行いました。

まずは竹ドーム作りの様子についてご紹介します。澤井隊員やまちづくり推進隊山本の皆様に指示を仰ぎながら、協力して作製しました。紐の結び方や組み立ての手順など、協力隊員それぞれの経験から意見を出し合い、主体的に進めていた点が印象的です。遠くからバランスを見る隊員も居たりと、参加者が自然と役割を見つけるなど、チームワークが生まれていました。また、まちづくり推進隊山本の皆様も柔軟に隊員のアイディアを受け入れて下さりました。

竹ドームを作った後は、まちづくり推進隊山本の皆様の活動を簡単に説明いただき、その後澤井隊員の活動報告会を行いました。
澤井隊員の活動は放置竹林という問題に出会うところから始まり、竹林という空間を有効活用できるようにするという活動のコンセプトがあります。
澤井隊員は、「移住前に感じていた都会でのストレスやフラストレーションは、人がスペースを埋め尽くす事で起こっているものであるが、一方で、田舎では竹林問題や耕作放棄地が人を追いやることが課題になっている。」と言います。「田舎では負担に思っていることも、違う角度から見れば資源になる。」とのことで、「竹」は「材料」、「竹林」は「空間」と考え、地域の人たちがやりたいこととマッチングさせながら放置竹林の活用に繋げていきます。

<活動内容>
・竹林会議:まちづくり推進隊山本の皆様と耕作放棄地と放置竹林を整備して、みんなが楽しいことが出来る空間を作る活動。また、竹を使ったモノづくり(竹ドーム、コンポストトイレ(バイオトイレ)、竹ポスト)やワークショップ(竹水取り、週末の筍の収穫体験)を実施。

・NAU!:高齢者が集う「こすもす広場」で地域の方から縄を手で編む方法など、生活の知恵を移住者や若い世代に伝承してもらう活動。生活の知恵を次の世代に繋げたり、高齢者の居場所づくりや世代間交流を生んだりする活動。(コロナ禍で休止)

・まんのう町地域おこし協力隊・水沼隊員との連携:アンディー・ゴールズワージーがはじめたランドアート(岩、土、木、鉄などの「自然の素材」を用いて砂漠や平原などに作品を構築する美術のジャンル、またはその作品)をまんのう町と三豊市をまたぐ山の境で少人数で行う活動。(地域と地域をつなぐ意味や、創作活動を通じて新たな気づきがあったり、人と山との関係に‘‘いい時間‘‘が生まれたりすることを期待)

・竹プロジェクト:「竹チップ」や「ポーラス竹炭づくり」を行う活動。放置竹林の「竹」を農業に活かしてもらう循環農法を取り入れた持続可能な活動。

その他にも、プライベートでは、飲食店で働く人がいつもとは違うメニューに挑戦して1つの食堂を作り上げる「Okiru食堂」というプロジェクトに参加したり、ことなみ未来館<旧琴南中学校>とその周辺で開催されている「山の小さな展覧会」という現代美術の展覧会に家族で出店するなど地域活動に参加しているそうです。

<卒業後について>
竹林会議:引き続き三豊市に住み「まちづくり推進隊山本」の皆様と活動。
まんのう町地域おこし協力隊水沼隊員との連携:ランドアートの活動を通して澤井隊員が新たに創った造語「スケープグラフティ(景色の落書き)」または「森の創作活動」を行っていく予定。
具体的には、山の中の道端に山の中にあるものだけで作品をつくり、山を登りながらその作品を鑑賞するというもの。

お店の経営:「衣」「食」「住」「文」を軸として農業が生活の一部だった時代から、生活から生まれる「手作りの衣・食・住・文」を発信し、訪れる人がものづくりを普段から取り入れたくなるような場(お店)づくりを計画中。
生活の知恵を残したいという澤井隊員の以前からの想いと繋がっている。
アイアン家具を造っていた経験から、竹や鉄を使った家具を作製し、販売する予定。
文化があれば地域に人が戻ってくると考え、その土地に住みたくなるような魅力を感じてもらえる文化のあるお店にしたいという想いがある。

活動報告会の後は、まちづくり推進隊山本の皆様の活動への感想や、意見、アドバイスなどを各協力隊員から発表していきました。
まちづくり推進隊山本の皆様からは、耕作放棄地と放置竹林を整備することの大変さや、課題など伺いました。
「竹」や「竹を利用した取り組み」に興味がある隊員も多く、増えすぎたと言われる竹林が必ずしも不要なものではなく、むしろポジティブにとらえる見方もありました。
新たな竹を使ったものづくりのアイディアや、「100年後機械や技術が発達して竹林すべてを伐採することできたとして、それが本当のゴールなのか」、「この竹林を整備したスペースで一緒にイベントをやりたい」など様々な意見が出ました。

最後はみんなで作った竹ドームの前で記念撮影をしました。
3月で退任する協力隊員が3人参加しており、名残惜しさもありながら、今後の活動内容を共有しました。
澤井隊員は6月までの任期です。任期後も香川県の地域おこし協力隊の縁で、良い連携が生まれたらいいなと思います。