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【香川県】第45回 さぬきの輪の集いIN小豆島町を開催しました!

2022年6月10日(金)、小豆島町 地域おこし協力隊の大和隊員(地域の魅力発信推進員)の活動報告会を行いました。

13の市町から総数29名(協力隊1年目→8名、2年目→9名、3年目→7名、4年目→1名、自治体職員4名)が参加くださりました。

今回のさぬきの輪の集いは、協力隊隊員の活動報告や現地視察を通じて、下記3点を可視化することに注力して、気づきや学びを得られる機会づくりを目的にプログラムを作成しました。

➀行政との関係づくりや関わり方について

②地域との信頼づくりや関わり方の深掘りについて

➂大和隊員の得意なことを活動に活かす工夫について

<プログラム>
 ⑴ 亀山八幡宮にて正式参拝
 ⑵ 池田桟敷の視察見学
 ⑶ 大和隊員の活動報告会
 ⑷ ゲストを交えてのクロストーク
 ⑸ 交流会 

大和隊員は、2020年5月に着任し最終年の 3年目を迎えています。

活動ミッションは、「地域の魅力発信推進員」。
小豆島の地場産業や観光商材などを「ふるさと納税」を通して発信することを主な活動とされており、エンターテイメントコンテンツの企画や運営を通じて地域の魅力を発信し、県内外から来島のきっかけづくりや関係人口の創出を目的に活動されています。

着任前は、着地型旅行商材の企画運営をはじめ観光誘致の環境整備などに従事し、東京・浅草エリアの街再生計画に携わっておられました。
また、小豆島の新しいインフラ整備事業「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」の導入にも貢献するなど東京と小豆島を行き来しながら、幅広く活動を行ってこられました。

始めて小豆島に来島されたのは2014年。
プロの歌手としての顔ももっている大和隊員は、二十四の瞳映画村を会場にコンサートを開催するなどして、協力隊着任前から小豆島にはご縁があり、島民のあたたかさや島の魅力に触れるたびに愛着が深まっていったとお話されていました。

●プログラム⑴ 亀山八幡宮にて正式参拝

<亀山八幡宮にて正式参拝>

亀山八幡宮での正式参拝から、さぬきの輪の集いは始まりました。
日頃から大和隊員が大変お世話になっている亀山八幡宮(※)で、皆さまをおもてなしさせて頂きたい!というご本人の強い要望もあり、「さぬきの輪の集いの成功」と「各協力隊の活動成就」を御祈願していただきました。

<神主様にお祓いしていただいている様子>

凛とした空気の中で佇む時間が、普段の生活ではなかなか体験できない非日常であり、小鳥のさえずりや爽やかな風を感じながら、心身ともに洗われていく感覚がとても心地よかったと、多くの参加者からもご満足のお声をいただくことができました。

江戸時代の亀山八幡宮大祭の様子を伝える絵額
池田町出身の絵師 三木 算柳(みき さんりゅう)によって描かれた絵額は、貴重な文化財の一つで、
江戸時代を生きた池田郷の人々が八幡宮に集まり、祭を楽しんでいる様子を伝えている。

※亀山八幡宮とは・・・
八幡神を祀る神社で、五穀豊穣を祝う秋の大祭(太鼓台奉納)では、各地区から太鼓台が集結するほど大変勇壮なお祭りが有名で、ご神木として信仰の対象になっている巨樹のシンパク(樹齢400年以上)は町の天然記念物にも指定されており、重要有形民俗文化財に指定される「池田の桟敷」などと合わせて広く知られている。

<高尾宮司のご講和>

参拝後は、高尾宮司から講話を頂戴しました。
お祭りを例として取り上げながら、「地域にとって大切なこと、必要なことの原点」に触れられるお話は、私たち協力隊が心がけるべき忘れてはいけない大切な要素とも重なる内容で、その再確認をさせていただける有り難いお話であっとように思います。

<紅白の和三盆>
亀山八幡宮の拝殿前で集合写真

お参りのお礼にと高尾宮司がわざわざお供物をご準備してくださり、紅白の和三盆を頂戴しました。
軽やかな口どけでとても上品な甘さがとてもおいしかったです。

●プログラム⑵ 池田の桟敷の視察見学

亀山八幡宮から徒歩5分の場所にある、池田の桟敷(さじき)
小豆島町 元地域おこし協力隊の川宿田さんがガイド役として協力くださり、桟敷に関する視察見学をさせて頂きました。

<亀山八幡宮秋季例大祭(池田の桟敷に集合した太鼓祭り)の様子>

※池田の桟敷(国の指定重要有形民俗文化財)とは
築造時期は不明。秋祭りの見物のために利用される野天桟敷で、高さ18メートル、全体の長さは80メートルにわたり、急傾斜を利用して石垣を築き、数段の平地を形作った場所です。
桟敷には使用権が割り当てられていて、かつては氏子の村の有力者が占有しており、祭礼時に親類を集めて、そこから見物することが誇りであったといわれています。

<小豆島町 元地域おこし協力隊の川宿田さん>

協力隊退任後は、小豆島町役場の職員として勤務されており、池田の桟敷の保全活動や周知活動に尽力されておられます。

<桟敷の頂上に向かって移動中>

高さ18mもある頂上から見渡す眺望は小豆島ならではの絶景で、とても気持ちよかったです!!

●プログラム⑶ 大和隊員の活動報告会

<公共の宿 ふるさと荘>

池田の桟敷から車で5分の場所にある「公共の宿 ふるさと荘(小豆島国民宿舎)」。
池田港や瀬戸内海を一望できる絶景スポットで、そちらの大会議室をお借りして大和隊員の活動報告会を行いました。

<真剣なまなざしで活動報告を聞く参加の皆さま>

メモをとりながら、一生懸命に大和隊員の活動報告に耳を傾けておられる方も多く、後日回収した参加者アンケートの中には、「多くのアイデアの中から担当職員と相談しながら実現に向けて、ふるさと納税のオンライン企画、体験型ふるさと納税の開拓を成し遂げてきたことを知り、協力隊と担当職員の協同の大切さ、活動における目標や目的を共有することの重要さを知ることができた」といった具体的な記述もあり、気づきや学びを得るキッカケに繋がっていることを感じ大変うれしく思いました。

<小豆島町の地域おこし協力隊(大和隊員)>

全38ページのプレゼン資料を使って活動発表スタート!!
睡眠時間30分・・・と寝るまも惜しんで作り込んでくれた資料に、感無量です。

<大和隊員のあの時を振り返る幸せ・不幸せグラフ>

1、コロナ禍による島外への情報発信不足
2、返礼品の定番化

大和隊員の活動ミッションは、「地域の魅力発信推進員」。
上記の2点に課題を感じた大和隊員は、ふるさと納税をオンラインで開催したり、返礼品のメニュー開発に力を入れて課題の解決を実現してこられました。

ふるさと納税に寄付いただいた方へ少しでも感謝の気持ちを伝えたい!という想いから制作することになった「ありがとう」の歌は、自治体の職員をはじめ、地場の事業者や地域おこし協力隊、普段接点のない方々も巻き込んだ横断的な繋がりで作成された動画です。

関係者が増えることでの調整や方向性の一致など、ご苦労することも多くあったと思いますが、、、
そのYouTube動画が、なんと!なんと!
わずか1年で、1000回も再生!!
大きな成果やヨロコビを分かち合える仲間がいることが、大和隊員の活動の源につながっているのだろうと感じました。

また、大和隊員は地元にある地域資源を活用した企画を通じて課題を解決していくことが得意な方で、東京・浅草でも実績のあった「夏詣(なつもうで)」を通じた町の活性化事業が、ここ小豆島でも応用することで課題解決に役立てることができると発想を広げ、2021年に第一回を開催されました。

昨年の開催実績が好評であったことから、第二回目の開催に向けてバージョンアップした夏詣を準備中とのことで、今年の目玉は、土庄町と小豆島町の両町合わせて「1000個の行灯」を集めて、境内に飾る企画を開催されるとのことです。

この取り組みは、青年部の若手の活躍の場を作り、地域の人と人をつないで、こどもから大人まで楽しむことができる「夏の風物詩」にもなりうる素敵な企画だと思います。

大和隊員は小豆島に定住されることを考えられていて、退任後を見据えた生業づくりの準備も進められています。
それが、「フォトウェディング事業」です。

<小豆島にはフォトウェディングの舞台が沢山ある>

大和隊員は、小豆島にあるたくさんの資源が、結婚式という人生の中でも大きな節目を彩り祝う舞台にふさわしい場所だと考えていて、最高の思い出づくり(フォトウェディング)をキッカケに関係人口の創出と小豆島の未来を見据えた事業プランを考えておられます。

 「地元の食材をつかったコース料理でおもてなししよう!」
 「引き出物は、地場の産品で調達しよう!」
 「将来、こどもを連れて来島しよう!」
 「思い出の場所に、移住しよう!」・・・

「ウェディング」と「小豆島の資源」を組み合わせることで、人も町もヨロコビを分かち合えるハッピーな仕組みづくりが大和隊員の頭には浮かんでいて、人と人、人と地域の架け橋をつくっていく未来にワクワクを感じているのだろうと思います。

●プログラム⑷ ゲストを交えてのクロストーク

<岬の分教場保存会 専務理事の有本様(右)とセグラスグループホールディングス(株)の海老原社長(左)>

大和隊員が長年お世話になっている有本専務(岬の分教場保存会)と海老原社長(セグラスグループホールディングス(株))をお招きして、フリートークを行いました。
大和隊員は事業者と連携することで、協力隊の活動を前進させる大きな力になること、また、退任後のビジネスパートナーとして共同事業を行っていく可能性も生まれるなど、大変有効なリソースの一つであることを知って頂きたいという想いもあって、このようなカジュアルな形でお話を伺える場づくりにしました。

<有本専務の自己紹介と主な業績>
<海老原社長の自己紹介と主な業績>

有本専務は私たち協力隊と同じ移住者ということもあり、「移住者の心構えとして、強いハートをもつ必要性と仲間づくりの大切さ」を、海老原社長からは、失敗を恐れずよそ者だからこそ果敢に挑戦してほしい!という意も込めて「トライ&エラーの大切さ」を叱咤激励も交えながらお話してくださりました。
事業者ならではの鋭い視点と地域活性に長年関わってこられたご実績から、気づきや学びの多いお話であったように思います。
わずか30分と限られた時間ではありましたが、、、
クロストーク終了後も協力隊や自治体職員から質問が飛び交うなど、有意義なセッションであっと思います。

<小豆島町役場 企画財政課係長 高橋 良雄 氏>

最後の締めとして、小豆島町の高橋係長にスピーチをいただき、滞りなく無事にさぬきの輪の集いを終えることができました。
その後は、フェリー出航の時間までフリータイムを設けて、各々交流や情報交換をして楽しんで頂きました。
今回は、協力隊同士の交流だけではく、自治体の職員や事業者様にもご参加いただいたおかげで、多様な方との対話や情報交換を楽しむことができたことも良かったと思います。

●プログラム⑸ 交流会

<海老原社長と名刺交換をする善通寺市協力隊>
<香川県職員と意見交換する直島町協力隊と多度津町の職員>
<綾川町協力隊の活動の話を聞いている琴平町協力隊と多度津町協力隊>
<交流を深めている小豆島町協力隊と観音寺市協力隊>
<情報交換をする東かがわ市協力隊と小豆島町協力隊>
<ふるさと荘の前で写真撮影>

本会を開催するにあたり、事前の準備から当日の運営までお手伝いくださった関係者の皆さま、また実りの多い集いに貢献してくださったゲストのお二人に心から感謝を申し上げます。

そして、最高のおもてなしで参加者の皆さまをお迎えしたい!という強い想いで、120%の力を注ぎ続け最後までがんばってくださった大和隊員、本当におつかれさまでした。
そして、本当にありがとうございました。

今回の反省点としては、「交流の時間をもう少し増やしてほしい」、「グループワークがあるとよい」といったご意見をいただきましたので、次回の集いに反映させて更に気づきや学びの得られる場づくりに繋げていきたいと思っています。