今回は、令和5年5月に着任し、育児休暇を経て今年6月に復帰した、東かがわ市の石丸隊員にインタビュー。協力隊となった経緯や協力隊としての活動、そして今後の活動への思いなどについてお話を伺いました。
―本日はよろしくお願いします。まずは協力隊になる前の経歴を教えてください。
埼玉県出身で大学卒業まで埼玉県で暮らしていました。大学卒業後は、茨城県の食品メーカーでさつまいもの6次産業化に取り組み、さつまいもを育てたり、農業体験の企画運営、マルシェやカフェ、レストランで販売したりする業務に携わっていました。
―東かがわ市への移住や協力隊になった経緯を教えてください。
当時の会社の同僚だった今の夫との結婚を考えた時に、今みたいな働き方でいいのか悩むようになり、転職を考え始めました。退職後、いったん埼玉に戻ったのですが、私の地元が東京に通勤する人たちのベッドタウンだったので、毎朝、満員電車で通勤していく人たちの姿を見て、そういう生活をしたくないと思ったのと、結婚後の子育てをイメージすると、都会より、ある程度落ち着いた場所に住みたいと考えるようになりました。
そのような中、夫が、東かがわ市の会社へ転職することが決まったことで、私も東かがわ市へ行くことになりました。仕事は、学生時代、山形県米沢市や兵庫県丹波市などで地域活動に参加した時に、協力隊の方にサポートしていただいたり、協力隊になった友人がいることから、協力隊制度について知っていたこともあり、協力隊になることを考えていました。そんな時に、移住相談をしていた移住コーディネーターの方から東かがわ市の協力隊の募集を紹介してもらい、実際に、市の担当者や現役の隊員に話を聞いて、応募を決めました。
―実際の活動内容について教えてください。
私のミッションは観光振興と情報発信の2つです。
1年目は、地域のことを知ったり、地域に自分のことを知ってもらえたらと思い、観光以外のことも発信していました。その結果、多くの人と知り合うことができ、市内のいろいろな地域のことを知ることができました。
また、いろいろな場所に足を運んでいると、そこで仕事が舞い込んでくることもありました。その一つが地元のケーブルテレビのお仕事です。「東かがわ市いいとこ巡り」という番組を企画から出演まで担当させていただいています。あとは、オープンファクトリーイベント「CRASSO」のSNSでの情報発信をさせてもらったりもしました。

「東かがわ市いいとこ巡り」撮影時の一コマ。
―地域の方々には実際にどのような形で足を運んだのでしょうか?
市役所の職員が、手袋屋さんや神社など地域のいろんな場所に行く際に同行させてもらって、「Instagramやっているので何かイベントなどがあったら呼んでください」とお話ししたり、そうやって知り合った方が別の方を紹介してくれたりして知り合いが増えていきました。
―今後に取り組みたいことはありますか?
昨年子どもができたということもあり、物事の見え方が「母親として」に変わりました。東かがわ市の子育てに関する支援策や子育てにまつわる施設について、まだまだ情報が行き届いていないと感じることがあるので、そういった視点を今後の情報発信に取り込んでいけたらと思っています。
また、東かがわを盛り上げようとしている方々はいるのですが、個別の活動になっていたりするので、そういった方々をつなげるような仕事ができればと思っています。
あと、12月には親子でのリースづくりのイベントを企画しています。これは会場の「東かがわこどもひろば」がまだあまり知られていないので、知ってもらいたいということと、リースの装飾に、手袋の端材と東かがわ市歴史民俗資料館で栽培している綿を使うことで、子どもたちに東かがわ市の手袋に興味を持ってもらったり、綿の実や綿の栽培の過程などに触れてもらいたいなと思っています。
私にとって「母親」の目線は欠かせない要素になっているので、今後は地元の場所やものの魅力を再認識しながら、親子で触れ合えるイベントを継続的に企画していきたいと考えています。

石丸隊員企画の「リース作り」イベント
―活動していてよかったことはありますか?
日々活動していく中で「インスタ見たよ」とか「テレビ見たよ」「今度うちも紹介してよ」と言ってもらえるのはうれしいですね。自分が情報発信していることの意味を認めてもらえているような感覚があるので。
また、そういった中で「今度こういうイベントあるよ」とか「こういういいところもあるよ」と逆に教えてもらえることもあります。私が情報発信していく上で目指しているのが、私が発信する東かがわ市のいいところに対して、他にもこんないいところもあるよという反応があって、それが連鎖していくことで地元愛がより深まるということなので、こういったやり取りはとても嬉しいですし、やっていてよかったと思います。
―逆に協力隊になる前の協力隊に対するイメージとのギャップや大変だったなということはありますか?
3年間という任期が決まっている中で、「協力隊として自分に何ができるだろう」とか「協力隊である自分は何を求められているだろう」とか、その中で「自分のやりたいこととどうバランスをとって活動をしていくのか」ということは定期的に悩みます。協力隊になる前のイメージとしては、活動していけば自分のやりたいことが明確になってくるだろうと思っていたのですが、実際にはそんなに簡単に見つかるものでもないので、そこについてはまだ考え中という感じです。
―活動を通して成長したことやできるようになったなということはありますか?
協力隊になる前は、自分の言葉で表現することが得意ではなかったのですが、日々情報発信をする中で、自分らしい表現が少しずつできるようになってきました。また、そういった表現をすることが好きなんだということに気づくことができました。
あと、成長とは違うかもしれませんが、地域の方々との良い人間関係を築くことができたのは協力隊の仕事を通して得られたものだと思います。子どもの成長を一緒に喜んでくれる人がいるのはとても嬉しいですね。
―東かがわ市の好きなところはどんなところですか?
地元の埼玉は海がないので、ちょっと散歩がてらの感覚で海があって、山も近くて自然が豊かなのは、いいと思います。
人で言うと、温かくておもてなし精神のある人が多いですね。町を歩いていて、知り合いに会うと話が弾みすぎて大体予定通りに帰れなかったりとか、取材に行ったりしたときにコーヒー出してくれたり、「もう帰んなきゃいけないのよ」といっているのにお菓子も出てきちゃうとか(笑)
あと、手袋の町で、職人さんが多くて、自分の仕事に誇りを持っているかっこいい人が多いですね。
安戸池とか動物園とかパペットランドとか、家族で出かけるようなスポットもあるし、普段の生活で困ることはないですね。また高松や徳島まで車で1時間くらいで行けますし、2時間あれば神戸まで行けるので、利便性もいいと思います。
―最後に協力隊を検討している方へのアドバイスはありますか?
募集を探す上で私がやって良かったと思うことは、東京有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」や高松市にある「香川県就職・移住支援センター」へ行って相談したことです。その地域のことを知っている人にアドバイスをもらうことは大事だと思います。
あとは、場所によっては難しいかもしれませんが、応募しようと思う自治体に行って、担当者と会うことも大事かなと思います。私自身、当時の担当者と会ったときに、「この人とだったら働きたいかも」と思ったことが決め手になったので。また現役の隊員に会ってお話を聞けたこともよかったと思います。少しハードルは高いかもしれませんが、迷ったりしたらインスタのDMなどで連絡を取ってみるのもいいかなと思います。
活動していく上では、初めは地域のことを知らないわけなので、地域のことを教えてもらいながら、自分のことも知ってもらって、地域の方々といい関係性を築くことが大事だと思います。そのためにも猫をかぶったりするのではなく、しっかりと本音で向き合うということも大事だと思います。
また、自分にやりたいことがあるときは、地域の人に寄り添いながら、やりたいことを伝えていくことが大事かなと思います。
最後に、協力隊と妊娠・出産・子育てが両立できるということも伝えたいです。私自身、協力隊の任期中に子どもができるというイメージはなかったので、両立できるかどうか心配でした。いろいろ調べても情報がほとんどなかったので。それぞれの自治体でいろいろなルールはあると思いますが、産休や育休が取れたり、看護休暇も取れたりするので、そういったサポートがあるということは伝えたいですね。