さぬき市,  環境・自然・季節

【さぬき市】<さぬきふるさと学> 女体山の話

香川県さぬき市の南側、阿讃山脈にそびえる標高774mの女体山(長尾女体山)。

この女体山には言い伝えがあります。

「昔、さぬき市にある志度で玉取りに来た藤原房前(ふじわらのふささき)に仕えていた女官がいて、房前が帰った後もこの女官は志度に残り海士の修行をしていた。その後さぬき市にある造田の地元民と結婚したが、この女の人は普通の人と肌が違っていたので、「女体さん」と呼ばれるようになった。その後、男の子が生まれこの子が成長した後に農業に励んで働いていたが、田畑の水不足に悩まされることがよくあった。水不足に悲しんだ母親は、「私が百歳になったのちに、水神となって農家に水を与えよう」と願った。この母親の死後、さぬき市の阿讃山脈の矢筈山(やはずやま)付近にある青木地区の山に祠(ほこら)を建てて遺体を葬った。生きていた時の願いのためか、雨が降らない時に人々が集まって、この「青木女体」に雨を念ずると必ず降ったという。その後、祠が長尾へ移されたが、再び東讃エリアで最高峰の矢筈山の東にある山に移して祭ったとされる。この祠の付近に生息しているイワバミ(多和ヤモリ)はこの女体さんのお使いだと言われている」

また、この女体山にある女体宮に続く参道の「一の鳥居」が、さぬき市前山地区にある「道の駅ながお」近くにあります。

四国八十八か所の87番目長尾寺から88番目大窪寺までのへんろ道には、女体山を通る道もあります。
歴史を感じながら、また讃岐平野を眺めてみながら歩いてみてはいかがでしょうか。
(*女体山コースは険しい山道でもありますので、お気を付けください)

◆「参考文献」
「改訂 長尾町史(下巻)」1986年 長尾町史編集委員会

◆「へんろ道」(さぬき市観光協会)
http://sanuki-kanko.jp/henro

(協力隊 よしかわ)