TIMES5特集(行政担当者のホンネ。インタビュー),  塩江町(高松市),  香川県,  高松市

【TIMES5特集】高松市インタビュー

「地域を盛り上げたい!」という想いのもと、日頃から二人三脚で地域おこしに取り組んでいる行政職員と協力隊ですが、実はなかなか本音が言えないことが多いのも事実です。

そこで、今回は普段あまり表に出ない行政職員に突撃し、ホンネを聞いてきました!

※この特集は「さぬきの輪TIMES〜二人三脚な5冊目〜」の企画で、現在地域おこし協力隊が導入されている全8市町の行政担当者の方々にインタビューしたときのものです。誌面に載せきれなかったインタビュー全文を掲載していきます。

【地域振興課】宮武さん、松野さん、塩谷さん(左から)

―地域おこし協力隊の担当者として大変なことはありますか?

隊員の皆さんの発想は結構クリエイティブなので、やりたい事業が市役所でやってないような新しいものだったり、元々あるマニュアルとか例規にない要望をもらったりして。

そのための協力隊だと思うのですが、皆さんからいただいて初めて気付くことも多くて、今ある要綱を変えたり別の解釈をしたり、新たに地域おこしに特化したマニュアルを一から作ることになります。

要綱やマニュアルを作ることになっても、役所独特のルールですが意思決定のために決裁をとる必要があるので、やっぱり民間のスピードとは違って、時間が何倍も掛かってしまうのが本当申し訳ないなと思います。

ただその行程を踏まないと事業として通らないので、そこが難しくて悩ましいところですね。

―そのことに対してどのように対応しようと考えていますか?

少しでも早く決裁を回したいので、資料作成に必要なことは庁内の色んな課や県外の自治体とかに聞きまくってますね(笑)

一から作っていくので、インターネットで要綱がアップされている自治体もあるのでそれを調べたり、県外の自治体にも電話で聞いたりとか。

要綱を一つ作るのに、予算関係、支払関係、文書関係などそれぞれ担当課が異なっていて、それらの課に確認しながら作成するので、相手の業務の都合もあって時間がかかったり、思うように進まないっていうのもある一方で、隊員の方々もずっと待ってるので、その時間が本当申し訳ないといつも思います。

―板挟みですね(T_T)

担当課から指摘を受けても担当者では説明できない部分は係長に説明に行っていただいたりとか、納得していただくまでが大変ですね。

調整は必要ですが、課としては早く活動できるようにしてあげたいと常々思っています。

隊員の方も色々思うことがあると思うんですが、状況説明はしっかりしておくことだけは気をつけています。

―地域おこし協力隊を導入して良かったと思うことはありますか?

色んな想いを持って移住して来てくれているので、そういう想いが聞けるっていうこと自体、ずっと高松にいる者にとってはすごく新鮮ですね。

同じ市に住んでいても、それぞれ地域の方と日々接していて、その地域に住まないとわからないこともあるし、他の事業を進めていく中でも、協力隊のおかげで違う視点が得られる場合もありますね。

行政VS地域と思われがちなところを、協力隊に入っていただいたことで、地域との距離が近くなったというのはすごく感じます。
地元も協力隊を受け入れてくれているし、隊員も地域が好きって思って色々考えて活動してくれています。

「さぬきの輪の集い」で男木島に行った時に、石部さんが地元のおばあちゃんや子どもたちに、すれ違うたびに話し掛けられているのを見て、地域の一員として皆に認められてるんやなぁと感じて、すご感動しましたね。

あと、塩江でも淵崎さんや村山さんがイベントに行くと必ずいらっしゃって。
淵崎さんは運営のノウハウを地域の他の方々に伝えたり、村山さんはカメラや文章を書く腕を奮っていたり、得意なことで力を発揮しているのを感じます。
それは市役所の中にいるだけではわからないことですね。

小瀧さんも最近メディア回りされよって、そんなとこにコネクションあるんやとか、そんな発想もあったんやという感じで、机の上でああでもない、こうでもないって考えるより先に動ける行動力っていうのは、協力隊ならではやなと思いますね。

私たちができないような、これまでにないルートとスキルで、高松をPRしてくれるという期待は大きいです。
フットワークが軽いから、普段出会えないような方と繋がったりしていて、その繋がりからまた「地域おこし協力隊」をPRしていただける。

地域おこし協力隊は市の職員ではありますが、行政職員よりも柔らかい感じで地域に入っていけるので、行政と地域を繋ぐ上でとても有り難いですね。

―最後にひとこと

コミュニケーションをもっと取っていきたいですね。
距離を縮められたらホンネももっと言ってくれるような気もするので。

ミーティングを兼ねて各隊員の現場にも足を運んだりして、もっと仲良くなりたいなと思っています。

3年間の任期の中で、それぞれやりたいことや自分の道を見つけていくとは思いますが、活躍される場所や内容は違っても、任期後も高松市で活躍していただけらいいと思いますね。

※固有名詞、所属等は取材時のものです。

【参考URL】
高松市の地域おこし協力隊

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